作業性を向上させるドラム缶ヒーター

工業用のヒーターと言うと、金属を使った棒状や帯状のものを連想しますが、このタイプは加熱対象物を均一に加熱しにくい短所があります。

それを解消したのがシリコンラバーヒーターで、シリコンの柔軟に馴染む性質を利用したヒーターです。

薄いシリコン内部に導電機構を設け、印加すると加熱する仕組みです。

ヒーター本体の厚みがわずか1.5mmですから曲面や入り組んだ形状の部分の加熱が可能で、どのような形状のものにもフィットし、均一に加熱できる特長があります。

加熱することで溶接予定部の予熱ができたり、塗装面が馴染むなどの用途で使われることがあります。

これを応用したものにドラム缶ヒーターがあり、ドラム缶の胴体にシリコンラバーヒーターを巻きつけるものです。

このドラム缶ヒーターは高粘性液体や凝固物の取り出しを容易に行なうために開発され、メーカーは名古屋市のオーエムヒーター株式会社です。

ドラム缶内に入っているペイント類・ワックス・オイル類などを加熱することで粘度の一定化ができ、粘度が下がることで吐出ポンプの能力も少なくて済むメリットを生み出します。

ドラム缶以外でもペール缶、1斗缶などでも使用でき、直接フィットしますので高い熱伝導率が期待できます。

この加熱により内容物の粘度を下げることができますから、各種作業性を向上させることが可能です。

ドラム缶ヒーターは手動で巻きつけるものや、作業性を向上させたマグネットタイプがあり、加熱に対しても制御機器にて行ないますので安全で、目的の温度に自動的に上げられますので、大変便利な製品になっています。

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